遺言は法律の要件を満たしていなければ有効となりません。
また、遺言が有効であっても書き方次第で自分の思ったとおりの効果を生ないこともあります。
遺言書作成のポイントは以下のものが主なものです。
1.全文を自書する。
2.財産を詳しく明記する
3.日付も自書する。(吉日はだめ)
4.署名捺印を必ずする
5.「相続させる」とかく(遺贈するはやめたほうがよい)
6.相続人以外に財産をあげることも可能
7.遺留分に注意する
遺言(「いごん」または「ゆいごん」)とは、遺言を作る人(遺言者)が、自分の死後の法律関係(財産、身分など)を、一定の方式に従って定める、最終的な意志の表示のことです。
わかりやすく言うと、自分が死んだ時に、「財産を誰々に残す」とか、「実は隠し子がいた」とかいったことを、死ぬ前に書いて残しておくことです。
気をつけなければいけないのは、遺言の方式は法律で定められているので、それに違反する遺言は無効になってしまうということです。
遺言は死ぬ前であれば、いつでも本人の意志で自由に変更(撤回)することができます。
もちろん変更(撤回)するときも、法律上の方式を守らなければいけません。
遺言で定めることが出来る内容も法律で決まっていますので、それ以外の事柄について定めても何の効力もありません。
もちろん「他人の財産を息子にあげる」なんてことも認められません。
遺言で定められるのは、自分が持っている権利の範囲内のみということです。
遺言とは、「人の最終意思に、死後法的効果を認めて、その実現を保証する制度」です。
家庭裁判所に持ち込まれる相続争いの多くは、正式な遺言書がないためだといわれています。
長きにわたり一生懸命働いて築いた財産も遺言がないために、残された肉親同士が遺産争いを繰り広げるようでは天国にいるはずの本人もやりきれないものでしょう。
子孫の幸福のためになるべき遺産が、骨肉の争いを引き起こし、不幸の原因になってはたまりません。
財産のある人は、生前に自分の財産の状況とその行方を定めた遺言を作成するべきです。
遺言は遺産をめぐるトラブルを防ぐ最善の方法であるとともに、遺産を世のため、人のために生かす出発点でもあります。
また、残すのは借金だけだという場合でも、残された家族が法的な手続(相続放棄)により借金の返済義務を負わなくてすむよう、その内容を遺言というかたちで書き残しておきたいものです
遺言によって財産を与えることを「遺贈」といいます。(民964)
これは、財産を受ける側の意思に関わりなく贈られますから、「あげます」「はい、もらいます」という無償の契約である「贈与」とは法律上区別されています。遺言によって被相続人の意思が明確に示されていれば、相続のトラブルの多くは防ぐことができるでしょう。
遺留分は、遺言でも変えることができない、相続人が財産をもらうための最低限の割合です。
遺留分を持っているのは、配偶者、子供、親だけで、兄弟姉妹にはありません。
これを侵害している場合は、侵害を受けた相続人からの請求によって返さなければいけません(請求がなければ返す必要はありません。知らぬが仏ということもあるでしょう)。
たとえば、「愛人に全財産を相続させる」という内容の遺言を作っても、「遺留分権利者」が その財産のうちそれぞれの遺留分に相当する財産を「減殺」する(とりもどす)よ うに求めれば、遺言のとおりになりません。
これを「遺留分減殺請求権」の行使といいます。
「遺留分権利者」とは 法定相続人のうち、兄弟姉妹以外の相続人で、遺留分を有する者をいいます。
個人的な意見ですが、遺留分の請求をするようでは、すでに泥沼状態といって良いかもしれません。
相続人の権利は前もって放棄することはできませんが、遺留分については前もって放棄することができます。
被相続人が生前に遺言で定めた相続分を「指定相続分」といい、これは「法定相続分」 に優先します。
財産の所有者はそれを自由に処分してかまわないからです。
しかし、財産処分の自由がどこまでも可能なわけではなく、「遺留分」といって、 一定の相続人に残さなければならない割合が定められています。自分の財産をどれくらい自由に処分できるかといいますと、遺留分の割合を差し引いた残りという ことになります。
相続人に残す最低相続割合とは
遺言者の財産のうち、一定の相続人に残さなければならない割合を遺留分といいますが、遺留分の権利者とその割合は下記のとおりです。
権利者は、法定相続人のうち子や孫などの直系卑属、父・母などの直系尊属と配偶者に限られており、 兄弟姉妹には遺留分がありません。(民1028)
例えば、遺言者が死亡、法定相続人が妻と子二人で「遺産の全てを長男に与える」 といった内容の遺言があった場合、妻ともう一人の子には遺産がないということになります。つまり、妻ともう一人の子の遺留分を侵害している、というわけです。
遺留分を侵害されたらどうするか
遺留分が侵害されていても、相続人が遺言どおりの配分を了承するならば、特に問題はありません。
遺留分を侵害された人は、遺留分に基づく減殺(げんさい)請求をする 必要があります。
ただし、1年以内に主張しておかないと権利を失います。(民1031)
減殺の請求権は、遺留分権利者が相続開始および、減殺すべき贈与または遺贈があ ったことを知ったときから、1年間行わないとき、または相続開始のときから10年 を経過したときも時効によって消減します。(民1042)
(減殺請求…不足分を取り戻すため請求すること)
遺留分
1.直系尊属だけが相続人である場合は被相続人の財産の1/3
2.その他の場合は被相続人の財産の1/2
〔例〕妻と子2人が相続人の場合、
・妻の遺留分は4分の1(1/2 × 1/2)
・子1人の遺留分は8分の1(1/2 × 1/4)
〜安全・安心・確実な遺言書〜
このような利点があります!
1.原本が公証役場に保管されるため(実務上は50年)、紛失や偽変造の恐れがありません。
2.家庭裁判所における検認手続が不要です。
3.法律の専門家である公証人が作成しますので、内容に間違いがありません。
ただしこのような点もあります!
1. 事前に原案を作成・準備しておく必要があります。
原案の段階で、具体的な配分なども決めておかなくてはなりません。行政書士などの専門家に依頼して作成することもできます。
2. 証人が立ち会いますので秘密の保持が困難です。
行政書士が証人となった場合には、法律で守秘義務が課せられていますので安心です。(知人に証人を頼むことは避けた方が賢明です)
3. ある程度の費用がかかります。
目的価格などによって異なりますが、目安としては5万円程度。
〜遺言は執行されなければ意味がありません〜
遺言書を作成しても、その内容を実現してもらえるとは限りません。
特に法定相続分と異なる配分を指定した場合や、相続人以外に遺産を与える内容の場合など、相続人が遺言執行に非協力的なケースが多く見受けられます。
そのようなときは遺言で遺言執行者を指定しておけば、その遺言執行者が遺言の内容を実現してくれます。
遺言執行者は相続人でも第三者でもなれますが、信頼できる相続人かあるいは行政書士などの専門家を指定しておくことが賢明です。
また遺言執行者の報酬についても、遺言で定めておくことが出来ます。
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